この記事ではTypeScriptのめんどくさく感じてしまうポイントと、それをどのように解決するかについて紹介したいと思います。
まずはTypeScriptの面倒くささについて説明しますね。
TypeScriptはJavaScriptに型定義追加した厳格な言語です。
それ故にめんどくさいと感じてしまうこともあります。
例えば以下のようなコードでは、name
変数に string
型が指定されていますが、後に number
型の値を代入しようとしています。
そのためこの場合はエラーが発生します。
let name: string = "ジョン";
name = 123; // エラー
TypeScriptではオブジェクトの構造を予め interface や type で定義する必要があります。
interface Person {
name: string;
age: number;
}
let john: Person = {
name: "ジョン",
age: 30,
job: "開発者", // エラー
};
この例では Person
インターフェースは、name
と age
のみを定義していますが、job
プロパティも含めたオブジェクトを代入しようとしています。
そのため、この場合はエラーが発生します。
もし job
プロパティを使用したい場合は予め宣言しておく必要があるわけですね。
それでは、次はTypeScriptのめんどくささへの対策を見ていきましょう!
型の厳密さを緩和する方法として any
型を使うことができます。
let something: any = "Hello!";
something = 123; // エラーにならない
ただし、any
型を使うことで型チェックを回避できますが、型安全性が失われることに注意してください。
そのため基本的には any
は使わないようにすることがおすすめです。
ただ、方法の1つとして覚えておくと良いです。
インターフェースや型の定義でオプショナルプロパティを使うことができます。
以下の例を見てみましょう。
interface Person {
name: string;
age: number;
job?: string;
}
let john: Person = {
name: "ジョン",
age: 30,
job: "開発者", // エラーにならない
};
このコードでは job
プロパティに ?
をつけることでオプショナルプロパティとして定義しています。
これにより job
プロパティを Person
interfaceへ任意で含めるかどうかを選択できます。
以上のようなめんどくささがある一方で、TypeScriptにはたくさんのメリットもあります。
その一部を紹介したいと思います。
TypeScriptは型安全性が高いことでコンパイル時にエラーを検出でき、実行時のエラーを減らすことができます。
どこでエラーが起きているのかわからない、という状況は避けたいですよね。
function add(a: number, b: number): number {
return a + b;
}
let sum = add(1, "2"); // エラー
上記のコードでは、add
関数に number
型でない引数 "2"
を渡そうとしているため型エラーが発生します。
このように間違っている箇所をエラーとして教えてくれるため、型安全性はバグを防ぐ役割があります。
他にも、型情報があることでエディタが自動補完やリファクタリングをサポートしやすくなるというメリットがあります。
interface Person {
name: string;
age: number;
}
function greet(person: Person): string {
return `こんにちは! ${person.name}!`;
}
let john: Person = {
name: "ジョン",
age: 30,
};
console.log(greet(john)); // "こんにちは! ジョン"
このコードでは Person
型の引数を受け取り、挨拶を出力する greet
関数を定義しています。
console.log(greet(j
まで入力するとエディタは自動的に person
オブジェクトのプロパティである john
を認識して、自動的に補完してくれるためタイプミスや記述量が減ることで開発効率が上がります。
ここで上げたメリット以外にもTypeScriptには様々なメリットが存在します!
今回はTypeScriptのめんどくささとその対策について紹介しました。
型の厳密さやインターフェースの定義が難しいと感じることもあるでしょうが、それらを解決する方法も存在します。
また、型安全性やエディタのサポートなどのTypeScriptのメリットも忘れずに把握しておくことが重要です。
TypeScriptは初めて触るときには少しハードルが高く感じられるかもしれませんが、慣れることで間違いなく開発の効率や品質を向上させることができます。
ぜひ今回学んだ知識を活かしてTypeScriptの世界を楽しんでくださいね!
TypeScriptの短絡評価の使い方「&&」「||」「??」の解説
TypeScriptのタイマー関数setTimeoutとsetIntervalの使い方
TypeScriptの多次元配列の使い方についてわかりやすく解説
TypeScriptでのタプルの使い方と実践テクニックを解説
TypeScriptのimport typeをわかりやすく解説
TypeScriptの配列やオブジェクトのソート完全ガイド
TypeScriptコメントアウトの使い方 完全ガイド
TypeScriptのオブジェクトとプロパティの存在チェック完全ガイド
TypeScriptで即時関数を使う方法を解説!基本から実践的な使い方まで