ものを作り出すエンジニアという職業にとって「何を作りどう運用するか」というのはとても大切なことです。
例えば WEB サービスを作る場合、ただ最初に作って終わりではなくその後も継続的に更新していくことが大切となってきます。
もちろんその為にはサーバー代やドメイン代などを負担する必要があるため収益化の方法を確立しておき、安定的に継続することでユーザーと開発者双方にメリットがあるわけです。
今回はそのような収益化の方法についてのエッセンスを学ぶことができる 金儲けのレシピ という書籍の紹介をさせていただきます。
「精神論・根性論ではなく、理論に基づいた金儲けの技術を伝えたい」
最高のビジネススキルとは、
「金儲け術」である。
まず本書のインパクトあるタイトルに胡散臭さを感じるかたもいるかもしれません。
しかし、怪しい商法を勧める本ではなく 現代におけるビジネスモデルがどのように収益を得ているか を端的に分かりやすくまとめたものです。
エンジニアと関係のあるところで言うと、 インターネットを用いた 1:n 構造の優位性 や SaaS のメリット 、 広告ビジネスについてなどの参考になることが書かれています。
本書は主にビジネスサイドの情報をまとめたものであり、技術的な書籍ではありません。
ただ、私としてはエンジニアもぜひ読むべき書籍だと思っています。
もちろん技術をとことん突き詰める技術志向のエンジニアにとっては不要の情報かもしれませんが、ビジネスサイドをしっかりと理解し 技術とビジネスの両面から意見を言えるエンジニア はかなり市場価値が高く、今後さらに需要が増えてくるポジションです。
もし世の中のビジネスに対して少しでも興味があれば読んでみて損はないと思います。
「なぜエンジニアと関係があるのか」でも書いたように「いかに考えたサービスを実現できるか」を大切にするサービス志向のエンジニアにおすすめできる1冊です。
その他にも儲かっているビジネスを理解するということは、自分が無駄に搾取されないような盾を持つという意味で非常に有益な情報が書かれています。
本書は難しい概念の説明本ではなく、実際にあなたも聞いたことのある企業がどういうビジネスモデルで収益をあげているのかを分かりやすく言語化して書かれているため読み物としても非常に面白いです。
個人的には東進ハイスクールを例にあげて説明されている 1:n 構造 の優位性についての話がとても面白かったです。
WEB サービスも一度作れば何人に使ってもらったとしてもさほど手間は変わらず、n の数が多ければ多いほど原価率を引き下げることができる点で同じです。
クラウド型会計ソフトの freee やクラウド型労務管理ソフトの SmartHR などの SaaS モデルが従来のライセンス型ソフトを淘汰し大きな収益をあげてきた歴史なども語られています。
なぜ SaaS というビジネスモデルが優れているかという理由では以下のような点が書かれていました。
SaaS は世の中に既に多く存在しており飽和状態と書かれていますが、まだまだニッチなジャンルや潜在的な需要を見つけることでその分野のシェアをとれる可能性のあるビジネスモデルだと思いました。
エンジニアは基本的に技術だけを磨いていく人が多いからこそ、技術だけではなくビジネスサイドも理解できるエンジニアは重宝されます。
そんなサービス志向のエンジニアにはぜひ読んでほしい1冊です。